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2022年6月定例会報告

 7月に入って新型コロナウイルス感染者数は急速に拡大しており、第7波に入ったと言われています。今後の動向が気になりますが、引き続き感染予防に努めていただけますようお願いいたします。6月定例会は6月9日から28日まで20日間にわたり開かれ、報告5件、議案10件、請願1 件、陳情1件を審議しました。また、元和光市職員の不祥事に関する調査特別委員会(百条委員会)の最終報告書を開会日に議決し、市に提出しました。

 

6月定例会の主な議案から

 

【和光市 部設置条例の一部改正】

賛成少数で否決(会派「新しい風・希望」は賛成)

 

 本議案は、不祥事の再発防止にかかる対応方針に基づき、分掌事務を見直し、かつ多様化、増大化する行政需要への的確な対応が可能となるよう、より効率的かつ効果的な事務処理を図るための議案です。今回の組織見直しについては、再発防止の観点として大きく2点あり、①対応方針で示された福祉部門の権限分散を図るため、保健福祉部を福祉部と健康部に分割すること②コンプライアンス推進のため文書コンプライアンス課を新設し法令遵守の体制を強化することが挙げられています。

委員会審査状況

 ●「組織改編に際して現場職員の声をどの程度拾ったのか」という質疑が繰り返され、市は、「各部局長がとりまとめた意見書で現場職員の声が反映されている。部局長への意見照会を行ったことを職員全員に通知し、内容を確認できる状態とした。40項目ほどの意見のうち半数以上を反映、内容も現場職員の具体的な意見になっている。若手職員との意見交換の場も設けた。」等、何度も説明を繰り返しましたが、委員からは「現場の職員の意見を聞けているのか疑義を挟まざるを得ない」「形式的にではなく本当に意見を聞いて精査してやっているのか信用ならない」といった発言が相次ぎました。「現場の職員の意見を聞いていない」という意見自体の明確な根拠は、やり取りの中で示されていません。●審査するのに資料が不十分だとの意見が出ましたが、議案調査期間に委員からの追加資料要求はありませんでした。●組織見直しの検討委員会を開かなかったことが問題とされていましたが、これまでの組織改正で何回検討委員会が設置されたのかを確認する質疑はありませんでした。実際は、平成23年以降の6回の組織改正のうち検討委員会が設置されたのは平成24年度のみ(行政改革の視点から職員を減らしていくため、限られた職員で効率的な運営をしていくという視点から)です。(※下線部分は、最終日の総務環境常任委員長報告に対する質疑を行い明らかにした点です。質疑は和光市議会のホームページ録画配信~6月定例会の最終日28日でご覧いただけます。)

 

 以上の審査経過を踏まえ、当会派では、誰でも意見を上げられる体制づくりと、上がってきた意見をできるだけ反映する努力をされてきたこと、不祥事の再発防止を図る体制づくりはスピーディに行っていく必要があること、今回の組織改正はその第一歩であり、今後内部統制や職員定数の改善等、対応方針に沿って着実に歩みを進めていくことが重要だと考え、原案に賛成しました。

 

 今後も、さらにオープンな議論ができる環境づくりを進め、庁内一丸となって市民の信頼に応える役所づくりを着実に進めていただくことを心から願っています。

 

【令和4年度埼玉県和光市水道事業会計補正予算】

全会一致で可決

 

 コロナ禍の影響を受け、原油価格・物価高騰等に直面する市民・事業者への支援として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源として、水道料金の基本料金を4箇月分免除するため、1億4,900万円を追加計上するもの。

 

 ●対象 市内の水道使用者(官公署などは対象外) ●対象期間 令和4年8月請求分から同年11月請求分

 

陳情・請願の審査結果

 

【外環自動車道側道交通量の予測、環境アセスメント実施並びに工事着工時期に関する請願】

可否同数 議長裁決で不採択

 

 会派「新しい風・希望」は以下の理由から採択できないと判断し、反対しました。

  • 外環側道を自動運転車両専用レーンとして整備することは3月定例会で可決し、国・県・事業者等関係機関では予算や人員を割り当てて動き出しており、工事差し止めを行うことは関係機関への影響が大きく、和光市の信用を損ない将来にわたり行政運営に支障が出る可能性が大きいこと。
  • 本件は、埼玉県環境影響評価制度の対象外であり、市で独自調査を行うとしてもその手法や具体的内容、調査に対する評価方法について明確に示されなかったため、調査の有効性、必要性について判断ができないこと。
  • 現段階で外環側道を自動運転車両の専用レーンとして使用することは決まっているが、一般車両を通行させることは決まっていない。現実的には一般車両の混在が技術的に可能と判断できる段階になってからの検討事項であると考えること。

 

和光市勤労福祉センター「アクシス」利用継続に関する陳情 

賛成多数で採択

 

 

 会派「新しい風・希望」は、今議会に上程された和光市勤労福祉センター条例の一部改正の議案(賛成多数で可決)との整合性からこの陳情には反対しました。この議案は、昨年12月議会に上程された議案と内容的にはほぼ同じですが、12月議会での否決後、在り方検討委員会を設置して検討を行い、「和光市勤労福祉センター在り方の方針」を公表した上で再度上程されたものです。内容としては令和4年10月以降は市による直接運営に変更し、概ね5年を目途に民間活力の活用方法等を含めた効率的・効果的な運営の再検討を行っていくこととし、検討期間はアスレチックルームと浴室を廃止とするものです。この条例改正を可決した以上、アクシスのアスレチックルームと浴室の利用継続を求める陳情を採択することはできないと判断しました。

 

待鳥よしこの一般質問 1

コロナ禍における市民生活の現状と支援

 

<市内の児童虐待の現状と対策>

Q:

 警察が虐待の疑いで児童相談所に通告した子どもの数は、令和2年、3年と過去最高を更新しましたが、増加率は低かったことから、コロナ禍の影響で家庭内の虐待等の被害が見えづらくなっている恐れがあります。埼玉県では令和3年度に児童福祉士43名、児童心理士14名を増員して虐待対応の体制強化を行ってきていますが、県内での虐待による子どもの死亡事案が立て続けに報道されたことは記憶に新しいところです。市内の子育て家庭の現状、支援の状況を伺います。

A(保健福祉部長):

 令和2年度には地域包括ケア課内に子ども家庭総合支援拠点を設置し、児童虐待や支援・配慮を要する児童及び世帯について、子育て世代包括支援センターや庁内関係部局と連携を図りながら対応を行っています。児童虐待に係る情報提供については、新型コロナウイルス感染拡大前の令和元年度に95件だった通告件数は令和2年度151件、令和3年度155件と大きく増加している現状です。令和3年度の通告内訳は、身体的虐待38件、心理的虐待89件、性的虐待1軒、ネグレクト27件となっており、通告の半数以上が児童面前での激しい夫婦喧嘩を含む心理的虐待となっております。全体の半数以上が警察からの通告となっています。継続的な支援や介入が必要な案件は要保護児童対策協議会で協議を行っていますが、令和4年4月の直近の会議では実件数で52世帯75人を対象に安否確認等を含む進行管理を行っています。

 

<新型コロナウイルス感染症の後遺症について~実態把握と支援>

Q:

 新型コロナウイルス感染症は、感染時の症状の有無にかかわらず感染後も後遺症としてさまざまな症状がみられ、治療に長い時間を要するケースや長期間にわたり感染前の生活に戻ることが難しいケースもあり、支援が必要です。市は市民の後遺症の実態を把握しているのか、支援が必要なケースへの対応、市の情報発信について伺います。また、長引く後遺症に付随して経済的な不安等複合的な問題が起こることも想定され、市に相談しやすい窓口があることが必要ではないかと考えます。そうした窓口を設置し、市民に周知してはいかがでしょうか。

A(保健福祉部長):

 市では新型コロナウイルス感染症に罹患された方の個人情報を得ていないことから、後遺症の実態については残念ながら把握していない状況です。罹患した方から相談があった場合は個々の状況に応じ必要な支援について埼玉県ホームページの情報を基にご案内するとともに必要に応じて関係部署と連携を図ってまいります。情報発信については県ホームページにリンクを貼って情報提供しており、それが現時点では最適と考えていますが、ご指摘の一元的な窓口の設置等については、庁内で議論を重ねていきたいと考えています。  

Q:

 子どもたちにも後遺症発生の可能性があり、小学生のワクチン接種率が低いことを心配する声を市内医療機関から伺っています。軽い症状でも後遺症の危険性があることの啓発を。

A(保健福祉部長):

 和光市での小学生のワクチン接種率は6月3日現在17.3%で国の平均(14%程度)よりは進んでいるが、副反応への不安等から接種を迷われるケースも多いのではないかと考えます。子どもの後遺症を含めたコロナウイルスに関するさまざまな情報をしっかり提供し、判断の参考としていただけるよう、国・県の動向を注視しつつしっかりと情報発信をしていきます。

 

待鳥よしこの一般質問 2

教育行政

 

<部活動の地域移行について>           

Q:

 部活動のあり方を検討するスポーツ庁の有識者会議は、公立中学校で行われている休日の部活動を民間のスポーツ団体等に委ねる地域移行を、来年度からの3年間で段階的に進める目標を掲げた提言案をまとめました。少子化が加速する中、部活動を継続する仕組みを模索する一方、教員の負担を緩和して学校現場の働き方改革にもつなげたい考えです。当市はどのような方針で取り組んでいくのか、教育長のお考えを伺います。

A (教育長):

 現在部活動は学校管理下で行われ、勤務時間外の指導は教員の自発的業務とされています。そのため教員の献身的な勤務に依存して成り立ってきた側面があり、結果として授業準備等の本務に十分な時間を割り当てられない状況や、休日等の指導により休養日を十分に取れない状況も指摘されています。本市では提言を受け、令和7年度までの改革集中期間に、運動部だけでなく文科系部活動も含め、実施主体や指導者の確保、場所や費用等の課題解決に向けた協議をしながら、市の実情にあった持続可能な活動を検討していきます。まずは児童・生徒、保護者、教職員、地域スポーツ団体等へのアンケートを実施し、本市におけるニーズ把握をするとともに、中学校部活動の地域移行に関する検討委員会を設置し協議を進めたいと考えています。

 部活動は生徒同士や生徒と教員の好ましい人間関係の構築、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資する多様な学びの場として教育的意義が大きいと考えています。しかし部活動の充実の反面、過度な活動につながってしまう面もあり、生徒が生涯にわたり豊かな生活を実現する資質、能力を育む基盤として、部活動のあり方に関する改革に取り組む必要があると考えています。今後の検討課題としては、受け皿となるスポーツ団体等との連携や指導者の確保、活動場所や時間、保険や会費等多くの課題がありますが、最も考えるべきことは、生徒にとってスポーツ、文化、科学等に親しむことのできる機会が確保できるか、そして生徒の自発的な参加を通して楽しさ、歓びが実感できる機会となるかということだと考えています。それを第一に今後検討委員会で協議を進めてまいります。

 

◎この他、コロナ禍における出産・子育て支援、コロナ禍における子どもへの影響と対応、給食費の公会計化、ヤングケアラー支援(特に「きょうだい児」〈障害のある子どもの兄弟姉妹〉支援)等について、質問を行いました。詳細は後日公開される会議録をご覧ください。また私のFacebookでも一般質問の報告を掲載していますので、どうぞご覧ください。

 

◆会派「新しい風・希望」の懇談会は、新型コロナウイルスの感染拡大状況を勘案し、残念ですが今回も開催を見送ります。皆様、どうぞお体に気をつけてお過ごしください!

 

◆9月定例会は9月1日開会予定です。

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