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2023年3月定例会中間報告

 現任期最後の定例会となる3月議会では、開会初日に市長の施政方針が示され、令和5年度一般会計・特別会計収支予算案を含む議案26件、陳情1件を審査しました。(ただし、このレポート作成時点はまだ議会開催中で本会議での採決が終わっていません。また最終日に上程される議案が追加される見込みです。)

 3月議会が閉会すると、3月31日㈮には県議選の告示〈投票日4月9日㈰〉、その後4月16日㈰には市議会議員選挙の告示〈投票日4月23日㈰〉となります。

 3期目のこの4年間、多くの皆様に支えられ、また貴重なご意見をいただきながら活動してまいりました。

 今後も皆様との接点を大切にしながら前進していきたいと思っています。

 

3月定例会の主な議案から‐TOPICS‐

※本会議での採決前の中間報告となります。 

 

【和光市部設置条例の一部改正】

(総務環境常任委員会では賛成多数で可決・本会議の採決は17日)

 

 本議案は、複雑多様化し、増大する行政需要に的確に対応できるよう、より効率的かつ効果的に事務を処理することのできる行政組織を構築するため、組織体制の見直しを行い、あわせて、和光市・不祥事の再発防止にかかる対応方針に基づき、分掌事務を見直すための必要な改正を行う趣旨で令和4年6月議会に上程されたものが、反対多数で否決され(会派 新しい風・希望は賛成)、その後現場職員の意見を集約し内容を練り直した経過の詳細な資料を付して、今回改めて上程されたものです。内容としては、保健福祉部を福祉部と健康部に分割し、建設部の名称を都市整備部に改め、各部の分掌事務を改めたものです。3月8日現在、委員会審査の結果は7名中賛成5名、反対2名で可決されています。(本会議採決は3月17日となります。)

 

【令和5年度一般会計予算】

(両常任委員会に分割付託 総務環境常任委員会では賛成多数で可決文教厚生常任委員会では全会一致で可決 本会議採決は17日)

 

 総務環境常任委員会では、当初予算への賛成4名、反対3名で可決されました。詳細な反対理由は最終日の採決前の討論を待たなければ明らかになりませんが、外環側道における自動運転サービス導入に関する業務委託料及び2期区間整備工事に係る予算計上について質問が集中したようです。万一本会議で予算が否決されることになると、予算に盛り込まれた新規事業(特別支援学級設置工事等)ができなくなる可能性があります。

 

【和光市国民健康保険税条例の一部改正】

(文教厚生常任委員会では全会一致で可決 本会議採決は17日)

 

課税限度額の引き上げ

基礎課税額(医療分)63万円→65万円 

後期高齢者支援金等課税額(後期高齢者支援分)19万円→20万円

令和5年4月1日施行

 

【和光市国民健康保険条例の一部改正】

(文教厚生常任委員会では全会一致で可決 本会議採決は17日)

 

 

出産一時金の支給額引き上げ

42万円→50万円

令和5年4月1日施行

 

待鳥よしこの一般質問

~今期最後の一般質問では、6項目の質問を行いました~

 

1.公文書の管理と活用 

 公文書管理については、これまでも3回にわたり質問を行い、継続的に取り組んできました。今回は、「和光市職員による不祥事の再発防止に関する第三者委員会」から「文書主義」の不徹底・逸脱の日常化が不正の機会をつくり出したとの指摘があったことを踏まえ、市の現状認識と今後の課題を聞きました。公文書は役所の業務遂行に必要であるだけではなく、市民に政策の意思決定過程を将来にわたり明らかにし、市民が主体的に活用することができる市民共有の貴重な財産であることに鑑み、平成30年9月議会に引き続き、公文書管理条例の制定を強く求めました

 

なぜ公文書管理条例が必要なのか

①公文書管理法の考え方からすれば、公文書は役所だけのものではなく市民共有の財産であり、現在の和光市文書規程でも「文書は市民の利用に役立つように適切に管理しておかなければならない」とされています。公文書が市民のものでもあるという観点に立てば、その管理については市長の訓令である「文書規程」で一方的に定めるのではなく、市民の代表である議会により審議可決される条例でなければならないと考えます。

②「和光市文書規程」は市長が定める訓令で、本来は市長部局に効力が限定されるものです。教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価委員会等については、それぞれの機関の規定で、和光市文書規程の準用等定めていることから、和光市文書規程に基づく文書管理を行っているわけです。しかし機関によっては不明確、不十分な部分もあると専門家の指摘があります。また文書規程は行政文書について規定するものであり、歴史資料(歴史的公文書)として保存・公開する基準等については定めていません。和光市において統一的な公文書等の管理を行っていくためには条例という形が不可欠だと考えます。

A:総務部長答弁(その1)

 公文書管理に対する職員の意識を高めること、事務処理ルールの徹底を課題と捉え、全職員を対象とした公文書管理セミナーの開催、適正な事務専決による事務執行を行うための起案様式の改定、起案文書作成時のチェックシート導入を行い、運用面での改善と公文書管理の適正化に努めています。条例策定については、公文書を市民共有の知的資源として保存していく重要性を鑑みると必要であると認識していますが、条例として制定している自治体が全国的に少ないことから現段階において条例制定は予定していません。今後も課題を踏まえ適正な公文書管理に努めていきたいと考えています。

Q:

 前回の一般質問で条例制定を求めたのは平成30年9月議会です。その際にも、先例が少なく条例化は難しいとのご答弁でした。しかしその後重大な不祥事が起こり、現在再発防止の取組を進めている最中であり、今こそ公文書の作成・ファイリング・保存・市民の利用に供するというサイクルの各段階での統一的な管理を先送りせずに実施していかなければならない時です。先例が少ないことは理由にならないと考えます。ひとたび不祥事が起こると市民との信頼関係が失われ、隠ぺい、改ざんといった疑念を持たれかねない事態も起こり得ます。そうした局面でも市民に説明責任を果たせる実効性のある公文書管理を行っていくことが求められます。いかがでしょうか。

A:総務部長答弁(その2)

 公文書は市民の共有財産であることを基本とし、まずは管理体制も踏まえ、現状の課題等を整理したうえで、条例制定に向けての検討を進めていきたいと考えています。

 

2.発達支援         

Q:

 令和3年度に開設した児童発達支援センターは診療所と連携し未就学児童を対象とした療育、障害のある子どもとその家族に対する相談業務を行うほか、障害のある子どもを預かる施設への指導・助言を行い、将来的な地域の中核的な療育支援施設としての機能を果たす計画ですが、現状と課題を伺います。

 A(保健福祉部長):

 児童発達支援センターは重症心身障害児を支援する児童発達支援事業及び放課後等デイサービス事業を開始しており、利用者は少しずつ増えています。より専門性が高い療育を提供できるよう、支援の質の向上に努めている状況です。相談支援業務は開設当初から実施していますが、保育所等訪問支援事業の実施には至っておらず、また地域生活支援センターとしての業務委託もまだ行っておりません。有資格者の人材不足や療育内容等の専門性に関しては、まだまだ地域の中核的な施設としての機能が十分果たせていない課題があり、市としても基幹相談支援センターや関係機関等との連携を通して機能強化に取り組み、指導・助言を行ってまいります。開設当初から現在まで法令に基づく人員配置基準は満たしており、保育士や児童指導員だけでなく、看護師や作業療法士等の専門職も配置しています。

Q:

 療育や相談等に関わる現場から、子どもの状態や支援状況を学校に伝え引き継ぐ場がないとの声を聞いています。当市には妊娠期からの切れ目のない継続的な支援をめざしたネウボラがあり、発達支援センターや事業所も充実してきたことから、蓄積された療育や支援の情報を共有し、就学後も一人一人の子どもの特性に応じた支援に活用されることは喫緊の課題だと考えます。市の現状認識と取り組みを伺います。

A(保健福祉部長):

 現状では事業所と学校が直接的に情報を共有する場はありませんが、相談支援専門員等が学校と連携し、児童の学校生活の情報を共有する取組が市内一部の学校と相談支援事業所で実施されています。支援を必要とする児童に関する情報を共有し適切な支援が行われることが望ましいのは、市も事業所も教育委員会も共通の認識であると思われるので、保護者の要望や個人情報の取り扱い等に配慮した上で、実現に向けた協議を行ってまいりたいと考えています。

※教育長からも、保護者の意向の確認、埼玉県「サポート手帳」の活用等について答弁されました。

 

3.開発行為とマンション新築工事

 新倉2丁目のマンション新築計画について、令和元年6月に開発行為計画の申請が出されましたが、事業者の都合により令和4年3月に廃止届が提出され、その後令和5年1月に和光市まちづくり条例に基づき別の事業者から開発行為等計画書提出、現地に標識設置、説明会の実施と報告書提出等所定の手続きが開始されている経緯を確認しました。近くに小学校や学童保育があることから、工事中の安全対策、騒音・振動・ほこり等への対策、緑と湧水の保全、近隣住民のプライバシー確保等について、適切な指導が行われるよう、質問と要望を行いました。

 

4.ごみ分別の推進 ~市民協働の分別推進~  

 市民アンケートの結果から、「雑がみ」(家庭から出される新聞、雑誌、段ボール以外のリサイクルできる紙類。具体的には家庭でいらなくなったパンフレット、包装紙、紙箱、紙袋等、紙類全般)は59.9%が「燃やすごみとしてごみ集積場所に排出」されることが最も多く、資源物としての分別が進んでいない状況が判明しております。

 市民の取組として、3年ほど前から「わこう銀色プロジェクト」という活動があります。コロナ禍で自宅で過ごす時間が長くなった高齢者の在宅時間を活用して、機能低下予防、地域とのつながりを保つ観点から、新聞紙でごみ袋を作ってもらい、自分以外の誰かにプレゼントする活動です。ゴミ袋は5種類で、現在は図書館に設置してあり、自由に持ち帰ることができます。

このゴミ袋の中の一つに雑誌や「雑がみ」を入れてそのまま資源ごみに出せる袋があり、袋も中身もリサイクル可能です。この袋をツールとして各家庭の「雑がみ」の分別促進をはかることができれば、作り手である高齢者の介護予防効果とともに、地域の課題解決に資する地域参画の手立てともなります。まさに地域共生社会がめざす多様な主体による参加と協働の一歩であり、高齢者が支援されるだけでなく地域課題の担い手にもなる取組となる可能性があると考え、市としてこの取組を支援し、協働して課題解決を図ることを提案しました。

A:市民環境部長答弁:

 この取組を公共的な仕組みとして運営することは「雑がみ」を資源化すると同時にごみの出し方の簡素化、効率化に資するものと考えます。さらには高齢者の介護予防や社会参加等の効果も期待されることから、取組の周知や助言等について積極的に協力してまいりたいと考えています。

A:保健福祉部長答弁:

 資源リサイクルの観点からだけでなく、高齢者の介護予防、社会参加等の効果が期待でき、周知や配架等について協力依頼があった場合は前向きに対応します。介護予防の取組については、市の事業だけでなく地域の市民の取組を活性化させることにより健康増進につながり、結果的に介護予防につながると認識しています。来年度は地域介護予防活動支援事業(「ちょい足し」事業)や「就労的活動支援コーディネーター業務」が立ち上がる予定で、高齢者福祉側からも市民の自主的な活動と積極的につながっていきたいと考えています。

 

 

◎その他、公共施設管理(電気料金値上げの影響と電気契約について)、帯状疱疹ワクチン助成についても質問しました。

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