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2021年9月定例会報告

 新型コロナウイルス感染拡大による埼玉県の緊急事態宣言は9月30日をもって解除され、県は10月24日まで、県民・事業者に対する要請を段階的に緩和する措置をとってきました。今後においても感染の拡大を招かないように、皆様には引き続き感染防止対策の徹底をお願い申し上げます。

 9月議会は8月26日(木)から9月24日(金)までの30日間にわたり開かれ、市長提出報告2件、議案19件(令和2年度一般会計及び特別会計の決算を含む)、議員提出の決議案1件、市民からの請願1件、陳情2件を審議しました。

 

9月定例会の主な議案から

 

和光市保育センターの組織及び運営等に関する条例

全会一致で可決 

 

 保育等の質の向上と地域の子育て支援の充実を目的とし、保育等を実施する事業者に対する支援機関として和光市保育センターをみなみ保育園内に設置します。保育等に関わる調査・研究・検証、民間事業者に向けた会議・研修、巡回相談、助言を行い、また市民の皆様には、関連情報の提供を行い、相談窓口として運営されます。(令和4年4月1日施行)

 

一般会計補正予算から

補正予算(第3号)賛成多数で可決

 

 地域公共交通(6,256万2千円増額内3,300万円は国庫支出金)自動運転サービス導入に関する2期区間検討業務委託料及び2期区間の道路設計業務委託料として計上。

 

※上記の補正予算(第3号)土木費(地域公共交通)に対する附帯決議案が提出され、会派「新しい風・希望」は所属議員3名がそれぞれ提案者への質疑を行った上で、以下の背景から反対しました。

 

 質疑の中で、この決議案は事業の是非ではなく事業を推進していくにあたっての手順についてのものであり、自動運転そのものについて判断するものではないことを確認しました。手順について、決議案では「今般の和光版MaaSは事前に議会にも市民にも全容が明らかにされることはなく、なし崩し的に事業が開始されたものである」としています。しかし、本事業は令和2年7月に内閣府の未来技術社会実装事業として選定され、7月31日に報道発表、9月には自動運転実装事業計画策定業務委託料500万円が補正予算で計上されました。10月28日の全員協議会における総合振興計画実施計画の説明の中では、和光版MaaSの推進は特に優先度の高い重要な事業として示されています。令和3年度施政方針においても、和光市駅周辺に並ぶもう一つの交通の要衝である和光北インター周辺のまちづくり構想とともにこの2つの交通の要衝をつなぐ役割を担う和光版MaaSを重点事業として挙げています。市は1月に住民説明会を2回開催し、その説明資料を音声つきでホームページに公開し、市民からの質問とその回答も公開しています。

 こうした手続きを踏んだうえで、令和3年度当初予算に1期区間分の予算を計上、その後2期区間分も対象となることが判明して今回の補正予算計上となりました。昨年秋以降、一般質問の機会は複数回あり、実際に私を含め複数の議員が一般質問で取り上げています。さらに全容が不明と考えるのであれば質問・調査する機会は多々あったにも関わらず、当初予算は特段の議論なく可決されています。以上のことから、「なし崩し的に事業が開始された」との指摘は妥当ではないと判断し、また不明な点は座して説明を待つのではなく、自ら調査・研究し市民の皆様に伝えていくことが議員としての使命であると考え、附帯決議案には反対しました。

 

請願・陳情の審査

 

<元和光市職員の不祥事に関する調査特別委員会を地方自治法第百条に定められた委員会として開催することに関する陳情>

継続審査(第98条に基づく審査の終了後判断する予定です。)

 

地方自治法第98条第1項と第100条の違い:第98条第1項は「検査権」と言われていて、市の事務に関する書類や計算書を検閲して、事務の管理等を議会が検査することができる権限です。第100条は「調査権」と言われ、資料の提出を求めるだけでなく、関係者の出頭や証言、記録の提出を求めることもできます。

 

<パワハラ相談窓口外部化の早期実現ならびに拡充に関する請願>

全会一致で採択 

 

市役所のパワハラ相談窓口の外部化を早期実現し、職員間だけではなく市の事業パートナーである民間事業者に対するハラスメントにも対応することを求める請願(紹介議員として委員会で説明しました)。

 

<資産課税の軽減等に関する陳情書>

趣旨採択

 

待鳥よしこの一般質問 1

新型コロナウイルス感染症対策

 

 質問時は、第5波の感染拡大がやや落ち着きを見せ始めた時期であり、第5波の渦中における市の対応について質問しました。(質問及び答弁は9月16日質問時以前の状況に基づくものです。)

 

Q:

 高齢者及び基礎疾患がある方等重症化の可能性が高い方たちへのワクチン接種は希望者のニーズを満たしたと考えてよいかを伺います。

A(保健福祉部長):

 59歳以下の基礎疾患のある方の接種については、7月に優先予約期間、優先接種期間を設けて実施し、希望された方は接種を受けていただけたものと認識しています。65歳以上の方については一般接種が始まって以降も優先予約を受け付け、また在宅介護を受けている重度の要介護者の希望者については往診により接種が終了していますので、接種ニーズはほぼ充足したと考えています。

Q:

 保育園休園は保護者への影響も大きいと思います。厚労省の通知によると、事業者が基準に照らして濃厚接触者の候補者リストを保健所に提出して認定されれば公費でのPCR検査が可能になるとのことでしたが、こうした事業者による濃厚接触者の候補者特定は実際には行われなかったのか伺います。

A(子どもあんしん部長):

 文書内容については承知していますが、濃厚接触者の特定に係る事務は県の所掌で、実務においては業務に精通した人材や知見が不可欠だと認識しています。今回の基準はあくまで一般的な事業所を対象としたもので、乳幼児をお預かりする保育園等での生活における基準の例示ではないので、直ちに適用することは困難であり、感染リスクの有無を踏まえた行動履歴の把握は困難であるとの見方が保育園等から示されています。市には必要な知見や実施件県がなく、保健所から市に濃厚接触者特定の事務を委任したり保育園等における濃厚接触者等の判断基準を示す予定もないと回答を得ていますので、事業者による濃厚接触者等の特定は困難であると認識し、実施には至っておりません。

Q:

 市の新たな取り組みとして、感染者が発生した学童クラブや保育園等を対象とするPCR検査が予定されているが、進捗状況を伺います。

A(企画部長):

 PCR検査の実施について市と朝霞地区医師会、朝霞地区薬剤師会が協議を進め、保育園、学童クラブの園児、児童については医療機関でPCR検査、職員については唾液PCR検査キットによる検査をすることとしました。小中学校については文部科学省通知による幼稚園、小学校及び中学校等における抗体簡易キットの配布先であり校医の協力が得られることから今回のPCR検査の対象外としました。

Q:

 8月30日から開始した自宅療養者への緊急食料支援について、市が自宅療養者の情報を得られない中で、自宅療養者からの申請ベースにならざるを得ないと思いますが、必要な人に届いているのか、状況を伺います。

A(危機管理監):

 8月30日から9月15日現在で25件、68人分の申請があり、午前中に電話で受付しその日の午後には遅滞なく配達できています。県の食料支援は届くまでに4~5日かかり、市の食料支援サービスについても情報提供してもらっているので、必要な人には届いていると認識しています。

Q:

 9月6日付で厚生労働省、総務省から自宅療養者等に係る個人情報の提供等に関する取扱いについての文書が出ています。自宅療養者の生活支援等の住民サービスについては市町村の協力が重要であるため、感染症法の連携規定に基づき連携して行う、そのために必要な県から市町村への個人情報提供は、人の生命または身体の保護のため緊急の必要があるときの個人情報の提供と考えられ個人情報の利用及び提供制限の例外規定の適用の検討を依頼する内容となっています。すでに神奈川県では連携事業に関する覚書を締結して連携しています。県との調整の状況を伺います。

A(保健福祉部長):

 埼玉県はこの通知を受け、市町村との連携事業に関して検討を行っているとのことです。今後、連携事業の範囲や個人情報の提供等について県の考え方が示されると連絡されたところです。市としては県の具体的な方針等が示された段階で連携事業の実施について検討していきたいと考えています。

 

待鳥よしこの一般質問 2

通学路の安全対策

 

Q:

 6月に千葉県八街市で下校中の小学生の列にトラックが突っ込み5人が死傷する事故が起こりました。当市でも抜け道として交通量が多い生活道路や歩道が狭い道路等が通学路になっています。市の委託事業として市民主体で作成している通学路安全点検マップ(※)を、登下校の児童の安全を図るためにもっと活用してはいかがでしょうか。

A(教育長):

 通学路の安全点検マップは通学班登校指導や交通安全指導等に活用され、各学校のホームページにリンクを貼り閲覧できるようにして啓発を図っています。保護者が子どもたちの通る危険箇所、通学路の危険箇所について知ることが安全対策として一番大事だと考えますが、まだ十分ではないと思っています。今後、校内掲示や学校だより等具体的なものを通して保護者への周知を図っていきます。

Q:

 これまでの安全点検に伴う危険箇所の改善要望について、主な改善実績を伺います。

A(建設部長):

 改善実績としては、歩道部分の側溝部分との段差やがたつきの解消、街路灯の設置、路面表示の引き直し及び新設、交通管理者である警察に横断歩道や信号機等についての要望を行ってきました。また丸山台1丁目2丁目地区、下新倉2丁目地区においてはゾーン30による交通安全対策を行いました。今年度も歩道部分と側溝部分との段差やがたつきの解消を予定しています。

(※)通学路安全点検マップはどなたでもご覧いただけます。

 

待鳥よしこの一般質問 3

市庁舎にぎわいプラン

 

Q:

 市庁舎にぎわいプランについては、市役所事業総点検見直し対象事業とされているので、その結果を受けての対応とされていますが、フューチャー・デザイン(※)によるまちづくりの視点という方向性についてはどうなるのか伺います。

A(企画部長):

 事業総点検で事業の実施をとりやめと決定した場合は、フューチャー・デザインの考え方も白紙に戻ることになります。

Q:

 フューチャー・デザインの考え方については、市庁舎にぎわいプランに限らず市の政策を考えていくときに必要な視点ではないかと思います。今後の市民参加の機会をつくっていく際にその視点を取り入れていく考えはないのか、伺います。

A(企画部長):

 将来世代が生きる社会を将来世代に成り代わり現世代が未来志向で政策を考えることは、これからのよりよい姿勢を考えていくうえで何ら相反するものではないので、市のさまざまな基本計画等を策定する際に必要な視点の一つであると考えています。

*その後10月に公表された市役所事業総点検の結果では、市庁舎にぎわいプランについては、当面凍結とされました(旧保健センターについて想定している方法での活用可能時期が不確定であること等から)。市庁舎駐車場の料金等の見直し検討はにぎわいプランと切り離して総務部で検討、また市庁舎狭隘化の解消については別途検討することになりました。

*市民文化センター・サンアゼリア展示棟について、来年度からの管理主体変更が予定され、4月以降のスケジュールが入れられない状況でした。早急な対応をお願いしていましたが、事業凍結を受けて管理主体は今まで通りで、12月1日から利用申込の受付が再開されます。

(※)フューチャー・デザイン将来に多大な影響を及ぼす政策や意思決定を行う時、現世代が将来可能性を最も発揮できる社会の仕組みをデザインすること。

 

 

◆議会報告会は今回もYoutubeでの開催となります。11月中には公開される予定です。

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