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2021年6月定例会報告

 7月3日に熱海市で土石流による大規模な災害が発生しました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 また、新型コロナウイルスの猛威はまだまだ収束の気配が見えません。市内の65歳以上の半数を超える方々が2回のワクチン接種を終えておられますが、若い世代の感染拡大や変異種の増加等懸念材料も多い状況です。引き続き感染防止に十分ご留意いただきますよう、お願いいたします。

 柴﨑光子市長が就任して初めての議会となった6月定例会では、開会日に新たな議長(齊藤克己議員)、副議長(安保友博議員)を選出し、任期後半がスタートしました。私は議会運営委員長として、議会改革をさらに推進していけるよう、努力してまいります。

 6月議会では市長提出議案17件、報告4件、議員提出議案1件、市民からの陳情2件を審査し、議案はすべて原案可決、陳情は1件が継続審査、1件が不採択となりました。

 

6月定例会の主な議案から

 

和光市民プールと和光市児童センターの設置及び管理条例

全会一致で可決

 

 和光市広沢複合施設整備事業の一環として建設された、新たな市民プールと総合児童センターが、今年12月4日にオープンします。その開館時間や休所日、利用許可、利用料金等の規定を定める条例です。それぞれの指定管理者を指定する議案も提出され、可決しました。

 

アーバンアクア公園の管理を行わせる指定管理者の指定

全会一致で可決

 

 令和3年10月1日から令和8年3月31日までの指定管理者として、現在和光市総合体育館の指定管理者でもある和光スポーツパーク共同事業体(株式会社クリーン工房・株式会社セイカスポーツセンター)が指定されました。

 

第4分団消防ポンプ車の購入契約締結

全会一致で可決

 

 和光市消防団第4分団の消防ポンプ車が導入から20年以上たって経年劣化が認められる状況であり、複雑多様化する各種災害活動に安全かつ迅速に対応するため、更新整備することになりました(2,104万3千円)。

 

一般会計補正予算から

全会一致で可決

 

・人事管理(369万8千円増額)和光市職員による不祥事の再発防止に関する第三者委員会で、中立、公正かつ客観的な調査を行うため、同委員会の事務局を外部に委託します。

・午王山遺跡史跡整備(7,122万円)午王山遺跡整備で用地取得費及び移転補償金を計上します。

・新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金(補助率10割)により、給付金等を支給する経費を計上します。<ひとり親世帯以外の低所得の子育て世帯に生活支援特別給付金(7,128万4千円)、特別貸し付けを利用できない生活困窮世帯に生活困窮者自立支援金(1億69万9千円)>

 

陳情の審査

 

<元和光市職員の不祥事に関する調査特別委員会を地方自治法第百条に定められた委員会として開催することに関する陳情>

継続審査(現在特別委員会は中間報告を出した段階で、引き続き審査中であり、今後の方向性についてはこれから議論していくので、現段階でこの陳情を審査することは難しい。)

 

<国のエネルギー基本計画への意見書提出に関する陳情>

不採択(脱炭素の方向性には同意できるが2050年再生可能エネルギー電力目標を100%とするという要求内容は現実的に厳しいという意見が多く賛成少数。)

 

待鳥よしこの一般質問 1

新型コロナウイルスワクチン接種

 

Q:

 予約できない人、接種会場まで来られない人への支援について市の考え方を伺います。

A(保健福祉部長):

 今後保健センター内にヘルプデスクを設置し、65歳以上で予約をとれない人を対象に、集団接種の優先予約を実施する予定です。移動支援等については、送迎バス運行やタクシー代等の補助ニーズは把握していますが、身体の状態に不安のある方、移動が困難な方にはなるべく市内医療機関での接種を勧め、往診により接種することができる医療機関を紹介する等の対応をしています。

*新型コロナウイルスワクチン接種については日々状況が変わっており、7月12日現在、市内65歳以上の高齢者の接種率は、1回目終了=79.4%、2回目終了=59.3%となっています。

 

待鳥よしこの一般質問 2

和光版MaaS

 

Q:

 内閣府による令和2年度の未来技術社会実装事業として採択された「地域

拠点間を接続する自動運転サービス導入事業(和光版MaaS構想案)について、全体的な財源についてどのような計画になっているのか伺います。

A(建設部審議監):

 令和3年度予算で承認されている社会実装に向けた計画立案を行う検討業務及び専用レーン設計については内閣府の地方創生推進交付金の採択を受けており、事業費に係る費用の1/2を上限として交付されることとなっています。令和4年度以降の取組みについては、令和3年度に実施する専用レーン設計や計画立案を基に未来技術地域実装協議会に諮り、整備内容が確定していきます。事業費の負担割合についても整備内容に合わせて決まることになります。

Q:

 市民の中には、市内循環バスの拡充やデマンドタクシー等の導入を求める声が多くなっていますが、和光版MaaSの取り組みを先行して進めていく意味、和光市の地域公共交通網の整備において期待できる効果を伺います。

A(建設部審議監):

 地域公共交通は、全国的に運転手の高齢化による運転手不足への対応が急務となっています。和光版MaaSは自動運転サービス導入により公共交通の担い手不足を解消するとともに、駅北口再開発や和光北インター周辺の産業拠点化というまちづくりと有機的に連動させて地域の活性化を図るものです。和光版MaaSは、坂道の多い当市で交通弱者を含むすべての市民の移動の自由を確保し、健康増進や介護予防に寄与することから、福祉政策の大きな柱として考えています。また、専用アプリで循環バスや自動運転サービス、シェアサイクル等の複数の移動手段を組み合わせ、移動経路の最適化、予約、利用料金の決済を一括して行い、快適に移動できる環境を提供するものです。

 

待鳥よしこの一般質問 3

広沢複合施設 ~プレーパークの運営について~

 

Q:

 平成30年6月の和光市広沢複合施設整備・運営事業要求水準書には、「地元企業・団体との連携」として、「プレーパークの運営は実績のあるNPO等と連携すること」と記載されているが、この項目のねらいを伺います。

A(子どもあんしん部長):

 要求水準書記載の意図としては、これまでプレーパークを運営していた児童センターの木々を生かして、プレーパークの運営実績がある地元企業や団体等を巻き込んだ事業展開を期待したものです。

Q:

 市内には、市民によるNPO団体が平成27年から市の委託事業としてプレーパーク事業に取り組み、市民にも浸透した活動となっています。児童センターでのプレーパークと、毎月実施してきた市内公園等でのプレーパーク事業は今後共存していくことができるのか伺います。

A(子どもあんしん部長):

 現在実施しているプレーパークは、和光市子ども・子育て支援事業計画に位置づけ平成27年度から市内の公園で定期的に開催している事業で、参加者が年々増加していることから子どもの居場所事業として定着しているものと認識しています。常設する1か所のプレーパークでは行き帰りの安全確保等の観点から全体のニーズをカバーすることは難しいと考えています。子ども・子育て事業は利用する対象者を念頭に置き、日常生活圏域をベースに事業展開を行っていることから、予算の範囲内で既存事業についても継続し、子どもたちの適切な居場所の確保、充実を図っていきます。

Q:

 一般にプレーパークというといわゆる冒険遊び場のコンセプトに基づくものを想定すると思います。リスクとハザードを分け、大人の指導や枠組みに従わせるのではなく、子どもの自発的な遊びを大事に運営しています。今回プレーパークという同じ呼び名の事業になるので、微妙なコンセプトの違いや事業者の子どもへの対応の違いが子どもたちを混乱させることにならないか、市の見解を伺います。

A(子どもあんしん部長):

 これまで実施してきた市事業のプレーパークの目的、趣旨等について事業者と共通認識を図り、子どもの自由な発想による遊びが担保されれば、子どもたちは柔軟に対応できると認識しています。PFI事業の公募に際し、市の子ども・子育て支援事業計画の趣旨等は盛り込んであり事業者との協議において、計画の位置づけ、事業の目的、趣旨等をしっかり伝えて同じ方向に立ち、新たな事業者の強みを生かした子ども主役のプレーパーク事業を展開していきたいと考えています。

 

待鳥よしこの一般質問 4

和光版ネウボラ

 

Q:

 北第二子育て世代包括支援センター(もくれんハウス)は建物が新しくなり相談室が整備されたことを勘案し、母子保健ケアマネジャーの配置を検討してはいかがでしょうか。

A(子どもあんしん部長):

 同センターは乳児期の方が多く利用しており、相談や雑談の中で助産師、保健師等の助言が必要となることもありますが、その際にはネウボラ課等に問い合わせることで対応を図ってきました。同支援センターへの母子保健ケアマネジャーの配置については、地域バランスや財政面について総合的に検討するとともに、地域にいる助産師等を事業実施時に活用することも含め効果的効率的な実施等について研究してまいります。

 

待鳥よしこの一般質問 5

統括保健師制度の導入

 

  厚生労働省では、平成25年に「新たな地域における保健師の保健活動に関する指針」についての通知で、保健師の保健活動を組織横断的に総合調整・推進し、技術的専門的側面から指導する部署の位置づけと保健師の配置を求めています。令和2年度保健師活動領域調査によれば、統括保健師は都道府県ではすべての自治体に、市区町村では868自治体(全市区町村の49.9%)に配置されています。

 柴﨑市長は、公約の大きな4つの柱のうち「福祉分野の建て直し」の中で、「統括保健師制度」の導入を打ち出されています。今後具体的政策に落とし込むにあたり、制度が十分に機能していくための環境整備等について質問しました。

Q:

 保健師の職能として、高齢者の健康や介護、母子保健、障害者支援、生活困窮等、多様な視点から健康問題に関する地域の課題を把握し、地域診断に基づいて健康まちづくりを推進していくということで、エリアごとの担当制が推進されています。住民を制度、年齢、疾病、障害等で区切る業務担当ごとではなく、地区担当制により住民の視点、生活の視点で世帯単位、地域単位で分散配置先の保健師と重層的包括的に関わっていくと指針に示されており、制度の狭間に落ちる人をなくしていくことが考えられています。分野ごとの分散配置による定型業務が増えていくことで、地域を俯瞰的に見て、人が生きていくために必要な諸条件を総合的に判断する「地域を見る力」が脆弱になることは、保健師の専門性から考えて大きな課題であると、日本看護協会の保健師活動指針活用ガイドに指摘があります。当市の現状に対する認識を伺います。

A(保健福祉部長):

 「地域を見る力」とは、地域包括ケアシステム構築における地域課題の把握とほぼ同義ではないかと考えています。当市では保健福祉分野の各種計画策定の中で日常生活圏域ニーズ調査を実施し、地域課題を把握、分析し、その解決策となる具体的施策を計画化して展開してきました。これは保健師が行う地域診断の手法の一つであると考えています。当市の保健師の地域を見る力が脆弱化しているとは考えていませんが、その持てる力をさらに発揮できるような施策と体制を検討していく必要性は認識しています。

Q:

 保健師の職能には、これからの共生社会で求められる総合的、包括的な対応のできる人材の原型を見ることができます。当市の地域包括ケアシステムの中で、保健師の専門性を十分発揮できるよう、統括保健師の権限やポジションを含め環境整備が必要だと考えますが見解を伺います。

 

A(保健福祉部長):

 他自治体との意見交換の中で、保健師が部長級職員として活躍していたり、庁内横断的役割を積極的にこなしている姿を興味深く見てまいりました。ご提言の通り、実際に機能していく制度にするための環境整備については、市長、副市長はじめ関係部局、保健師とも十分に調整を図りながら検討してまいります。

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