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2020年12月定例会報告

 2021年の幕開けは、新型コロナの感染拡大第3波のさなかとなりました。1月8日には1都3県に、さらに14日には2府5県に緊急事態宣言が発せられました。

 コロナ禍終息のきざしはまだ見えていませんが、一方ではワクチン接種に向けた国のスケジュールが示され、和光市でも接種体制整備に向けた準備が始まっています。一日も早く安心して人と会える穏やかな日常が戻ることを、また皆様が心豊かに健康な日々を過ごされることを、心から祈っております。

 12月定例会では、最終日に提出された追加議案2件を含め、2件の諮問と25件の議案を審査し、内23件の議案が原案可決、2件の議案が継続審査となりました。

 

12月定例会の主な議案から

 

和光市地域公共交通会議条例を定めることについて

全会一致で原案可決

 

 地域公共交通計画の作成・実行、地域の公共交通に係る協議を行う組織として和光市地域公共交通会議を設置するための条例を制定します。学識経験者、公共交通事業者、関係行政機関、地域公共交通の利用者等が一堂に会して、住民の生活に必要な旅客輸送の確保、交通不便地域の解消、持続可能な地域公共交通網の形成等に向けて協議していく基盤が整うことになります。

 

和光市わこうっこクラブ設置及び管理条例を定めることについて

全会一致で原案可決

 

 すべての児童が放課後を安全安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことにより児童の健全育成を図るため、わこうっこクラブを市内全小学校で実施し、その管理運営に、学童クラブとの一体型放課後対策事業として指定管理者制度を導入するための条例を制定します。

●私は議案自体には賛成しましたが、利用児童が「施設等を破損し、または滅失するおそれが認められるとき」や「わこうっこクラブの管理上支障があると認められるとき」は、利用を制限することができるとした条文内容等について、成長途上にある子どもがそのような行為をする場合に、まず第一にすべきことはその子どもの利用の制限ではなく、子ども自身を受けとめ支えること、必要な支援につなげることであり、子ども自身の最善の利益を判断の基本として運用していただくことを強く要望する討論を行いました。

 

和光市児童館、学童クラブ及びわこうっこクラブの指定管理者の指定について

原案可決

 

令和3年度から5年間の各施設の管理運営を行う新たな指定管理者を指定。北エリア・中央エリア=和光市社会福祉協議会南エリア=特定非営利活動法人ワーカーズコープに決定しました。

 

一般会計補正予算から

  • 広沢複合施設整備(4,720万円増額)想定外地中埋設物撤去負担金として増額計上されました。
  • 商工業務(1億6,380万円減額)中小企業・小規模事業者支援金、個人事業主支援金について、周知を行ったが申請が見込みより少なかったため減額しました。
  • 午王山遺跡史跡整備(5,359万2千円増額)地権者との調整が整った土地を取得し公有地化するため増額計上しました。
  • ひとり親世帯臨時特別給付金(2,080万円増額)特別給付金の再支給のため増額計上しました。児童手当の受給者は自動的に支給されます。新たにひとり親になった方は申請が必要です

 

2件の議案が継続審査(※)に

 

訴えの提起について

継続審査

 

 平成26年12月定例会に、補正予算として計上された定期巡回サービスにおける情報共有システムの導入事業に係る業務委託料1,566万円について、当時保健福祉部長であった元職員の指示により議案審議に際して虚偽の説明が行われ、可決後業務委託契約を受託会社と締結し、業務委託料として1,566万円が支払われましたが、納入物は存在せず、定期巡回サービスにおける情報共有システムも導入されていません。元職員の虚偽の説明及び不正な指示という不法行為により和光市に生じた損害額に弁護士費用相当額を加えた損害賠償金及び訴訟費用の負担を求める損害賠償請求の訴えを起こすことについて、議会の議決を求めるものです。

 この議案は最終日に提出され、直ちに委員会に付託され、文教厚生常任委員会で審査を行いましたが、さらなる慎重審査が必要として、継続審査となりました。

(1月27日開催の文教厚生常任委員会において全会一致で可決しました。)

(※)提出された議案は会期中に結論を出すことが原則ですが、内容的に会期中に結論を出すことが困難な場合は、継続審査の手続きを行うことで、審議未了廃案を回避し、次の会期まで審議審査することが可能です。

 

和光市エリアマネジメント推進条例を定めることについて

継続審査

 

 市内の特定の地区を単位に、民間主体で公共空間の活用促進とにぎわい創出を図るための条例が提案されましたが、事前に実施されたパブリックコメントに提出された案とまったく異なる条例案となっており、その変更理由について納得できる十分な説明がなされませんでした。令和3年度からの新たな総合振興計画の下でまちづくりが推進されますが、エリアマネジメントのあり方については、なお慎重な審査が必要だとの判断で、継続審査となりました。

⇒(1月28日開催の総務環境常任委員会において否決されました。)

 

待鳥よしこの一般質問 1

地域包括ケア

 

Q:

 地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を整備する観点から、改正社会福祉法等が来年度施行されます。その内容として、分野を問わず包括的に相談支援を行う、全世代・全対象型の地域包括支援体制の構築が求められています。

 本市では中央エリアの統合型地域包括支援センターが先進的に取り組んできた実績がありますが、市としての共生社会実現に向けたビジョンを伺います。

A(市長):

 地域包括ケアは高齢に特化した形で展開してきましたが、本来の形である重層的支援体制(※)というところにようやく来たわけです。重要なのは、複雑で多様なパターンに対応できる仕組みをつくることであり、本来の地域包括ケアの目的に立ち戻ることです。全国的にみると連携型の支援体制をつくるパターンが多いですが、当市の地域包括ケアは、連携型の初歩的な形を、多職種連携やケア会議を通じて実務的にやって来ました。ただ当市の統合型地域包括支援センターが取り組んだ事例を見ると、統合型という視点の専門性をもって同センターが各分野別センターの司令塔になっていかないとうまくいかない事例が多々あり、和光市のこれまで取り組んできたモデル事業の統合型は、まさに目指すべき方向だというのが私の考えです。市全域でこの形が即実現するかというと、担い手の問題もあるので、中間目標として他のエリアでは連携型を充実させながら、将来的には統合型をめざしていきます。量への対応から質への対応への転換に向けて現場の発想を変えていかなければならないし、市としても明確なビジョンを示す必要があると考えています。

(※)既存の介護、障害、子ども、生活困窮の相談支援等の取組を生かしつつ、地域住民の複雑・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施するもの。

Q:

 国の地域包括支援センターに対する評価指標は事業の質を評価するもので、それを活用することで市と事業者が運営方針を共有し、業務の実施状況や課題等の把握・分析を行うことができるようになっており、市と地域包括支援センターが協働して運営の改善や機能強化を図っていくものです。これまでは市が事業については数値評価し、運営についてはセンターの自己評価に任せてきた面がありますが、今後事業の質の評価を協働で行い機能強化につなげてはどうでしょうか。

A(保健福祉部長):

 これまで市はさまざまな機会をとらえて状況把握に努めてきたが、一部認識を共有できなかった面がありました。地域包括支援センター長との定期的な会議を実施し、意見交換等を通じて共通認識を持てるようにするとともに、事業の質の向上につながる評価を通じてセンターの機能強化を図ってまいります。

 

●本来、介護卒業と言われるような状態の改善がされることは市民にとっても幸せなことであり、地域包括支援センターの皆様も一生懸命取り組んでおられると思います。その結果の数値だけを求めるのではなく、当事者に寄り添って介護ケアをしていく現場の方たちの仕事の質がきちんと評価される職場環境の改善に向けて、市は事業者と協働してしっかり取り組んでいただけるよう要望しました。

 

待鳥よしこの一般質問 2

防災 ~避難所運営について~

 

Q:

 感染防止対策として避難所の収容人数を減らした影響で、昨年9月の台風10号においては、九州・中国地方で避難所が定員に達し、急遽設けた避難所に移動してもらった例が相次ぎました。コロナ禍において避難所の受け入れ人数が制限される中、受け入れ状況の情報提供はどのように行うのか、またコロナ禍における当市の各避難所における定員と受け入れ方についての基本的な考え方をうかがいます。

A(危機管理監):

 各避難所の定時報告を災害対策本部の救助部が受け取り、取りまとめて和光市ホームページやSNS等で市民に周知します。避難所の定員は、一般的に1人当たり2㎡とする市町村が多い中で、当市は避難所の個人使用スペースにトイレ等の共有スペース部分を含めて1人当たり6㎡としており、コロナ禍においても目安としての定員に変化はありません。基本的な考え方として、避難された方々を順番に受け入れ、避難スペースがなくなった場合収容可能な避難所をご案内します。家族か個人か、要配慮者なのか等避難者の状況により収容スペースは異なるので、現場で収容が満杯になる前段階で次の避難所にご案内する考えです。避難者の輸送に関しては一般社団法人埼玉バス協会西部地区部会と災害時におけるバス利用に関する協定を締結しており、必要に応じて協力要請を検討していきたいと考えております。

 

待鳥よしこの一般質問 3

学校給食費の公会計化

 

Q:

 給食費の公会計化について、令和2年度当初には今後のスケジュールを決定して動いていくとされていましたが、今年度はコロナ禍による混乱もありましたので、現在の進捗状況をうかがいます。

A(教育長):

 現在、システム事業者との協議を進め、学校給食費のシステム構築に必要なコストの精査や、条例の整備等の準備作業に入っています。しかし、給食費公会計化には予算措置だけではなく、教育委員会事務局の組織改正、定数条例の見直し、市長部局における定員管理計画の変更等、広範囲にわたる課題もあり、市長部局とも協議を進めながら、早期実施に向け取り組みを進めていきたいと考えています。

Q:

 公会計化の目標時期をいつに設定しているのか、また市長部局との連携体制をどうつくっていくのかをうかがいます。

A(教育長):

 事務局としては令和4年度からの実施に向けて進めていきたいと考えています。現段階では市長部局との協議が十分に整っておりませんので、導入時期を確定的に申し上げられない状況です。検討段階から市長部局の各部門との連携を図っていくことは非常に重要だと考えています。公会計化は、学校給食費及び給食実施に係る経費を市の一般会計に歳入歳出として計上していくことです。財務に関する事項は市長の専権事項ですので、公会計化の実施主体は地方公共団体であり、教育委員会が独自に公会計化を主導する権限はないととらえています。実態的に事務処理を教育委員会で行う場合も、人材配置、組織体制、滞納整理等の課題について、市長部局との連携は不可欠ですので、条例や規則の素案作成、電算システムを含めた事務処理要領等ある程度整った段階で、しっかり連携体制を整えて対応してまいりたいと考えています。

 

◆毎年、予算審査(3月議会)終了後に例年開催している議会報告会については、4月開催予定で準備をしていますが、新型コロナ感染症等の状況により実施の可否を判断していくことになります。市議会HP等でご確認をお願いいたします。

 

 

◆毎定例会後に開催しております会派「新しい風・希望」の懇談会は、新型コロナウイルス感染予防のため開催を見送ります。一日も早く安心して皆様と懇談できる日が来ますよう、願っております。

 

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